2019年から本格的に日本でもスタートしたキャッスレス決済の波ですが、飲食店の普及率はコロナの影響もあるとは言え、まだ40%前後となっています。
PayPayやその他バーコード決済を初め、従来からあるクレジット決済に関してもまだまだ飲食店では浸透していないと言える状況です。
キャッスレスを導入するにはいくつかのハードルがあります。
それを踏まえた上で、どの会社が良いのか?を比較していきたいと思います。
キャッシュレス導入の最大の障壁は手数料
まず第一の壁というより最大のハードルは、手数料です。
キャッシュレスを導入する事はすなわち、お客様と私たち飲食店の間に別の「決済代行会社」を入れることを意味します。
見た目は、従業員が金額を提示しお客様がその金額を支払うという形で、店とお客様が取引を行っているようですが、実際は別の会社が入っている訳です。
すなわち、その会社が手数料を天引きした上で店側に残った金額を支払う。これが手数料となります。
会社によっては、決済金額から天引きではなく、月額固定費として毎月所定の日に請求がかかるパターンもあります。
この金額はコストとして計上される訳ですので、そもそもコスト比率が高い飲食店としては数%でも大きくのしかかる場合があります。
キャッシュレスのシステム構築の壁
2つ目にハードルとなるのが、システムの構築です。
キャッシュレス決済を導入するには、前述した「決済代行会社」と店舗のレジやPOSなどの支払いを処理するシステムとの連携が必要になります。
大手チェーン店やその他業界などではAPIを用いてPOSシステムと決済会社のシステムを連携することで、スムーズなレジ業務を行うことが可能です。
例えば、大手コンビニエンスストアなどであれば、POS画面のボタンをスタッフがタッチするだけで自動的に決済代行会社と連携し、決済が完了します。
しかし、全国にある65万店舗の飲食店の7割は個人事業やローカルチェーンといった比較的小規模なパターンが多く、前述したようなAPI連携などの大掛かりなシステム構築は費用的にも、そもそも決済代行会社側が取り合ってくれない場合が多いです。
そうなってくると、POSシステムとは別のシステムを入れないといけなくなります。
ただ、その場合はシステム開発費や連携費などのコストが抑えることができる上、メンテナンスなどが不要で連携が出来ないなどのトラブルが少ないのがメリットであるとも言えます。
多すぎて選べない
3つ目のハードルは、代行会社が多くてどれが良いか分らない。
リクルートが出しているエアペイ、ヘイ株式会社と言うとわからないと思いますが、STORESという決済システムなら聞いた事があると思います。
それ以外にもソフトバンク・ペイメント・サービスという大元の会社やクロネコヤマトが運営する会社など探せば正直いくらでも「決済代行会社」は出てくる時代です。
その中から自分のお店に合う決済代行会社を探しあてるのは、営業の傍らであれば余計に面倒な作業になります。
だからと言って適当に選ぶと、手数料が思っていたよりかさみ利益を圧迫する可能性もありますので、慎重に選びたいところです。
どうやって選ぶのか?
今回の選考基準は、POSシステムとの連携を行わない、すなわち別の端末を用意することを前提とします。
その上で、コストと導入のしやすさを見ていきます。
1、VEGA3000
おすすめ度:★☆☆☆☆こちらの企業は、チェーン展開している飲食店などへの導入実績があり、JCBとニコス・UCカードの共同出資の会社ですので信用性は比較的高い企業になります。
決済手数料 | 3.24%~3.74% | 1万円の売上であれば、324円が手数料となります。 |
システム | 持ち運び可能なモバイル端末 | 屋外でも持ち運び可能な為テーブル会計などでも便利 |
取扱ブランド | 23種類 | コード決済(〇〇Payなど)は不可 |
懸案事項 | 持ち運びは可能だが、モバイル端末が大きく扱いが面倒な場合もある。 |

現状コード決済に対応できるように準備中のようですので、コード決済が始まったら検討しても良い
しかし、端末が比較的大きいため、女性スタッフや狭い店舗では難点になる可能性がある
公式ホームページへ2、Square
おすすめ度:★☆☆☆☆導入ハードルが低く、すぐにキャッシュレス決済をスタートしたい方にはおすすめ
決済手数料 | 3.25%~3.95% | 1万円の売上であれば、325円が手数料となります。 |
システム | iPhoneとの連携 | コンパクトであり、ハンディーにiPhoneを使用している場合は導入しやすい |
取扱ブランド | 17種類 | コード決済(〇〇Payなど)は不可 |
懸案事項 | 取扱ブランドが少ない。初期費用として7,980円かかる。 |

コード決済ができないのが難点であり0.01%ですが他社より手数料が高い。またiPhoneがないと導入できない部分がハードルとして残ります。
公式ホームページへ3、Air Pay
おすすめ度:★★★★☆リクルートが母体であるため比較的安全な企業で、導入も比較的スピーディーです。
決済手数料 | 3.24%~3.74% | 1万円の売上であれば、324円が手数料となります。 |
システム | 持ち運び可能なモバイル端末 | 屋外でも持ち運び可能な為テーブル会計などでも便利 |
取扱ブランド | 31種類 | 日本国内でのキャッシュレスはほぼ対応可能 |
懸案事項 | iPhoneまたはiPadが必要である |

比較的端末も小型で扱いやすいが、iPhone端末がないと使用できないのでiPhone端末がある方はおすすめのキャッシュレスである。
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4、STORES
おすすめ度:★★★★★あまり聞き慣れないヘイ株式会社ですが、キャッシュレス決済代行事業ではパイオニア的存在である。
旧名はCoineyです。こちらの方がご存じの方が多いかのかもしれません。
決済手数料 | 3.24%~3.74% | 1万円の売上であれば、324円が手数料となります。 |
システム | 持ち運び可能なモバイル端末 | 屋外でも持ち運び可能な為テーブル会計などでも便利 |
取扱ブランド | 31種類 | 日本国内でのキャッシュレスはほぼ対応可能 |
懸案事項 | 特筆する部分がない |

端末も比較的小さく扱いやすいの特徴で、iPhoneでもAndroidでも使用が可能です。
STORES 決済 (旧:Coiney) |公式サイトはこちら
総評
相対的に見て、手数料は決済金額の3.24%〜3.74%が主流であり最安値となります。
スマホ端末を用いて連携させるパターンが多く、iPhoneと指定される場合がある為注意が必要
総合的に判断して、現時点でのキャッシュレス導入で一番良いのは、
STORES
であると判断しています。

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